目の前に立っている篠岡。
高校1年のときからガタイはよくて、初めて見たときには先輩なのかなって思った。
篠岡は凄い投手だったんだ。
初めて会ったときから凄い実力差があって、適わない相手だって思ってた。
唯一のシニア出身者で、
左利き。
しかもそのガタイで、体力も多い。
筋トレなんて先輩と同じ量してたし。
先輩からも監督からも一目置かれてる存在で、篠岡は高校1年のときから目立つ存在だった。
先輩にはかわいがられていたし、嫌味も言われる存在だった。
俺らが1年のときのエースだった瀬川さん。
瀬川さんは球速では今の篠岡には負けるが俺と同じで、コントロールが抜群によかった。
球速も俺よりはあった。
瀬川さんは篠岡を“後輩”じゃなくて“ライバル”として見ていた人の1人だ。
たぶん瀬川さんのほかにもいたけど、瀬川さんじはとくに篠岡と競っていた。
でも篠岡は瀬川さんには勝てなかった。
それは瀬川さんが篠岡に見せつけるような力の差じゃなくて、本気でぶつかって出来た差だった。
篠岡も瀬川さんにいつも食いついて必死になっていた。
他の3年生から瀬川さんは何度か呼び出されて「後輩なんだからちゃんと叩き潰せ」とか言われたらしい。
でも瀬川さんは「後輩以前に篠岡は俺のライバルだ」って言い張った。
何度も何度も瀬川さんはその先輩に言っていたらしい。
その話を聞いたとき、瀬川さんに惚れ直したのと、篠岡に対しての嫉妬感があった。
それだけ、篠岡証治って奴は凄い奴なんだ。


