俺が投げ始めると、
篠岡と新谷は
さっき俺がしたように見てきた。
何だか試されているように思えた。
15球目を投げた頃だった。
篠岡が真剣な目をして見ていた。
その目で新谷に何を話していた。
俺の弱点を見つけられた気がした。
何だか恐くなって
特に何の用事も無いのに瀬田を呼んだ。
「何?」
「ぃや、…別に何も用事無いんだけど…;;」
「はぁ?」
「その…篠岡と新谷が恐くて;;」
すると瀬田は篠岡の方をチラッと見て、
ため息をした。
何だか…。
「まぁそれは俺も思った。」
え…。
「マジで??」
「マジ」
篠岡はミットで口を隠しながら
苦笑いをした。
「次フォークな。
決め球なんだから慎重にすんぞ」
「了解」
こうゆう時って本当に
投手をしていて良かったって思える。
捕手がわざわざここまで来て、
投手を心配して次の事考えて、
勝ちを目指すんだ。
もちろん俺や瀬田が
笑わせたりして楽しいし、
意見が合わないときだってあった。
でもそれって勝ちをこだわってるから
怒る事だってわかってからは、
瀬田との喧嘩は無い。
本当に瀬田はいい奴だ。


