て の ひ ら

「たぁあつきぃいぃ!!!!!!!」

「おわああぁあぁ!!!!!」



激しく砂埃を立てて燵葵は
あたしの攻撃を見事受けた。



ちなみにヘッドスライディング★




「いってぇえぇ!!!!漣かよ!」
「あ、ごめん燵葵♪」


燵葵は制服をはたいて膨れっ面でズボンを指差す。

「おろしたて制服!」
「どうせ明後日には
こうなってたよ♪」

「うっぜぇ……」

燵葵はあたしを先を促すように見た。

「あ、そうそう!燵葵、今日部活ないって!」
「言うのおせーよ!!!!
今さっき篠沢帰ったし…」



あたしが走ってる時には
もう篠沢君と部活ない事に気付いてたらしい。


「なんで部活ないってわかったの?」

「だって人がいなかったもん☆」


「そーですか」
「なんだよ!!
てか…………あ!!!
まさか心配で走ってきた?☆」





燵葵のうざい所。

自意識過剰………
とまではいかないけど。






「馬鹿燵葵!」



「あ、心配したんだ♪」



いつもの事だけど……
まさか高校生活初日から
こんな漫才するなんて…。


絶対追い掛けなきゃよかった…。




あたし達は寄り道で燵葵の寺に行く事にした。