て の ひ ら

◆:燵葵




「なぁ、慧斗…」

「ん?」

「なんで俺らだけ、バケツもたされてんの!?」


高校生にもなって、廊下でバケツ持ちって…;


「あ~…それはね
慌てて教室に入ろうとした俺ら…
だが、しかーーーーーしっ!!!」


「あ、やっぱいいッス」


「うわー!!!分かった、普通に言うから;;
俺ら4人とも、一旦は教室に入れたんだけど…

一番初めに教室に入った、漣ちゃんが転びそうになって直に捕まる。
突然、捕まられた直は体制を崩す。
彼氏である俺はとーぜん支えようとした。
けど、俺もバランス崩して最後に入ってきたお前に捕まる。
俺、直の腕をはなしてしまう。
結局、俺とお前だけ倒れて
そこに担任が来て、『足だけでも出てたから遅刻!!!』って言って
今に至るワケ。
分かった?」



「~~~~分かりたくねぇけど、分かった」


担任厳し過ぎだろ
っていうか、何で、いつも俺はこーゆー役回りなんだよ!!!#

神様を恨んでると、慧斗がツンツンと俺をつつく
振返って慧斗を見てみると…







合掌してた
(「ご愁傷様」って意味)



プッチーーーン



「###お前だってバケツもっとるじゃろうが!!!!!!!」

慧斗に、アッパーをくらわす


つくづく、嫌味な奴だ。


「たっちゃんの暴力ぅ~
そんなんじゃ、女の子にモテないゾ!!!」
「おかまかこの馬鹿!!!
モテなくて、結構!!!!」
はぁ…
慧斗と話してると、体力減るわー…




「モテなくは、無いみたいよ?」
突然、本気(と書いて、マジと読む)な顔になった
慧斗におどろき、後ろと見てみると…




「あんた…」