「………」

「あれだけの騒ぎを起こしたのですよ?それに、能力を使っていました。これは、校則に違反します!!」

俺が答えないでいることに痺れを切らした嶺は、そう言った。

「…校則を守らずに、校内で吸血行為をする者もいる。これは職員の注意だけで済ませるのに、今回だけ厳しく罰するのはおかしくないか?」

「そっ、それは!」

「今回の涙南の罰則は一週間の停学。それでいいだろう?」

「…、解りました」

どうやら嶺は、涙南が気にくわないらしい。


俺は丸くその場をおさめ、嶺を理事長室から追い出した。


その時、涙南の寝ているプライベートルームからガシャッンと花瓶の割れる音が聞こえた。