「お待ちください、漣様」

しかし、それは響弥に止められた。

「どうした?」

「その編入生、実力の半分も出していませんでした」

響弥のその言葉に、俺は目を見開いた。

「…お前は全力で戦ったか?」

「はい。これ以上荒らされては大変だと思い……」

こいつは、驚いたな……。
響弥よりも強い、か…。

「僕の報告は以上です。引き止めてしまって、申し訳ありませんでした」

響弥はスタスタと歩いて、後始末をしに行った。

俺は暫く、響弥の背中を見ていたが理事長室へと移動した。