「申し訳ありません、漣様。直ぐに対処すればよかったのですが…。疾風が先に闘っていたので、安心かと思っておりました」

そう言って、俺に頭を下げる響弥。

俺は、俺の腕の中で眠っている涙南を見た。
こいつは、響弥の弟とともまともにやり合ったのか……。

響弥はこの学園の生徒の中で最も優秀だ。
頭脳、戦闘能力において右に出る者はまずいない。

響弥の弟もまたしかりで、1年の中では1番秀でていた。
……響弥の弟よりも、実力は上か。

「…後始末、任せたぞ」

俺は響弥にそう言って、涙南を抱えて食堂を出ようとした。