「あ、待て、泣くな少年」

「泣いてません」

ほら、しゃべらせるから声が・・・・・・。

「すまなかった」

「なんで、先生が謝るんです?」

「もっと気を使って進める話題だった。許せ」

「だから平気です。泣いてなんか・・・」

高志は、目のふちを袖でおさえる。

「ほら」

「ううっ、じゃあ、もし僕が泣いてたら、先生はどう責任とってくれるんですか?」

「む・・・・・・」

固まる弓倉。

すごく。
すごーく考えて。

高志の手から空になりかけのカップを取った。

自分のカップと並べて机に置く。

それで、もう一息間を置いて。
決意した後。

高志を引き寄せた。

ぐっと高志の身体全部を両腕の中に引き入れる。

「せ、先生っ?」

「・・・・・・少しの間だけだぞ」