「うーむ」

考える弓倉。

「この間、背を伸びる本というものの広告を見たぞ」

「それは・・・・・・」

既に買いました。
表情で答える高志。

「そうか、既に購読済みか」

「・・・・・・はい」

読み取る弓倉に、高志は小さく頷く。

「役に立ったか?」

高志は、今度は横に小さく首を振る。

そうしたら、きゅっと胸が苦しくなって、本当に悲しくなってしまった。

軽いやりとりだったはずなのに、目の奥が熱くなる。

「あっ」

高志は慌てて弓倉から顔をそらして、それを隠した。

そして、黙る。

何かしゃべると、涙声になってしまいそう。