「フラスコは丸底と平底のどちらが好みかな?先日、テストに出したばかりだから違いはよく覚えているだろう」

「あれは正答率がかなり高かった。君もおそらく正解しているはず」

「もし間違っていたなら言え。両方を使ってゆっくり補習してやろう」

ケータイ小説に不向きな、
長い台詞を続ける弓倉。

高志は、弓倉の袖にすがりつく。

「わー、先生、ごめんなさい。本当は美味しかったです。本当です」

「少年、君はこのタイミングで言われて本当とか信じるか?」

「・・・・・・いえ」

「では、本当のことを言ってみろ」

「普通の味でした」

「うむ。では上等なフラスコを選ぶとするかな。幸い見た目は全部きれいだぞ。選び放題だ」

「わーーー」