そんな、ただの生徒と教師にしては少しだけ濃いやりとりをしているうちに

カップふたつ分のコーヒーが用意される。

弓倉はブラックで、
高志は好きなだけ砂糖を入れて、

「いただきます」

ふたつのカップから、向かい合った二つの口に含まれた。

味は?

高志にとっては、まあ普通だった。

もとがインスタントなのだから当たり前である。

弓倉にとってもそんなものだろう。
高志は思った。

が、

予想と真逆に、弓倉は期待に満ちた声で問いてきた。

「では、感想をもらおうか」

「コーヒーの?」

「他にあるなら、一緒に聞かせてもらうが」

これは、期待でなく自信。