身長差15センチの関係

「使う機会がなかったからな」

「じゃあ、使うつもりはあったんですね?」

「当たり前だ。使うつもりがなければ、運んでくる理由がないだろう」

「それにしては・・・・・・」

高志は、さっきの授業を思い出す。

最初に弓倉がこれを持って教室に入って来て、教室の隅に立て掛け、そのまま指一本ふれず、

今こうして僕が持たされていると。

「なんだ?君の罰ゲーム用に持ってきたとでも言いたいのか?」

「・・・・・・そんな気が、少し」
「そんな無駄なことをするわけないだろう」

「そ、そうですか?」
「そうだ、よし、そこを曲がれ」

旧校舎につながる廊下の曲がり角。
高志は言われたとおり曲がろうして、またよろけた。

「わわわわわっ」

勢いが止まらず、そのまま壁まで歩いていってしまう。

それは弓倉から見て、みごとなペンギン歩き。