駅から繋がる地下道の喫茶店。

弓倉はブラックを、
高志はレモンティーをテーブルに乗せて、向かい合わせで座っていた。

高志が周囲をうかがいながら、弓倉に言う。

「えっと、先生」
「何だ?」

コーヒーカップを手に堂々と受ける弓倉。

「喫茶店って学校で禁止されていたんじゃ?」

「うむ、我が校ではあまりよろしくない事として指導している。その意味は限りなく禁止に近い」

「じゃあ、僕と先生がこうしてるのは良くないんじゃ?」

「良くない、良くないが、あのままヘロヘロっとした君をホームに置いて行くのは、危険だった。これは緊急避難だ。うむ、そうしておこう。誰かに見つかったらそう言うように」

「はい、迷惑をかけてすみません」

ちょこん。
高志が頭を下げる。