それからきっかり15分後。 理化準備室を訪れ、弓倉に差し出された椅子に座っている高志。 確かめるように弓倉に訊いた。 「さっき教室の前で僕と会いましたよね」 「うむ、会ったな」 弓倉はゆったりと答える。 「僕がいるって分かってましたよね」 「目前ですれ違ったのだ、気づかない方が難しいだろう」 弓倉は机の上に片方のひじを掛け、 その手でコーヒーカップを持って高志を見る。 「先生、僕のことを見もせずにいっちゃうから気づいてないのかと思いました」