前を見たままの高志の視界から外れていく弓倉。

あちこちの教室から出て来る自分以外の生徒達と弓倉が交わす挨拶を遠くに聞き、

「・・・・・・先生、さようなら」
「・・・・・・・うむ、気をつけて帰れ」

それが聞こえなくなって、
気配も完全に消えてから、高志は大きく息を吐き出した。

「ぶはあっ、疲れたぁ」