身長差15センチの関係

「おまえが吸ってくれないと、母さんの目がますます厳しくなるんだがな」

「なら今のうちに吸ってしまえばいい。しばらくは戻らないだろう」

ここ数年の正月、

弓倉の血筋を持つ者達の流行は、百貨店の発売りへの突入だ。

弓倉母は元気な大人達と、
お年玉をもらったさらに元気な子供達とで一団をつくり、

さきほど愉しそうに出掛けて行った。

「こっそり吸うとかえってやっかいなんだよ。臭いでバレてな。ほら、吸わない人間は敏感だろう」

「たしかに・・・・・・」

答える弓倉。
トラウマ気味の思い出が頭をよぎる。

『先生、吸いたかったら吸ってもいいんですよ』

おまけに、などととっても嫌そうな顔で言う高志の顔がちらついた。

弓倉は、それを蜜柑汁で流すことにした。
コタツの上の蜜柑を手にとる。

父も、しかたなさそうに蜜柑に手をのばす。

伸ばしながらボソっと訊いた。

「やはりアレか?禁煙の秘訣は男か?」

ぶっ。
一瞬で固まる弓倉。