ふたりの日常、あるいは平穏な日




とととととととっ。

授業が終り、
ホームルームも終り、

放課後のざわめきを置いて、
理化準備室へ足早に向かう高志。

周囲に人がいないことを確かめて、
同時に中に弓倉先生がいることも感じとって、

喜んでドアを開ける。

「先生、こんにち・・・・・・わ」

開けて、
そこにいたのは機嫌の悪そうな弓倉。

机の上にテスト用紙らしい紙をたくさん置き、キロリと鷹の目で高志を見る。

くるりと背を向ける高志。

「さようなら・・・・・・わっ」

何だか分からないが、
30分ほど姿をくらまそうとするところを、

妖怪のごとく伸びた弓倉の手に襟首を掴まれ、部屋に引きこまれる。