とある架空の学校。

一般棟とは別の旧校舎の端にある
理化準備室。

もともとあまり使われない校舎の、
あまり使われない場所。

生徒が中に入ることはもちろん、
ドアの前を通ることもほとんどない。

放課後ともなればなおさら。

だからこんな時間、

もっぱらその部屋を使うのは、
そこに常駐する女教師。

と、

コンコン。

おとなしめにドアを叩く、
その教師と人には言えない関係になっちゃった、

一人のちっこい男子生徒だった。