side後藤先輩
俺の目の前で倒れた由里ちゃん。
「先輩ッ・・・救急車・・ッッはぁ・・・」
「分かった!・・・」
何で急に発作なんて起きるんだ・・・。
今は由夜くんがいないじゃないか・・・。
「今、来るからね」
「せ・・・・お願い・・・」
「ん・・・?」
「まだ・・・死にたくなよぉぉ・・・」
ズキッ
涙を流して、そう訴えた由里ちゃん。
何でこの子はこんな人生なんだ・・・?
親が死んで、病気になって・・・。
どうして・・・・?
「私・・・ハァ・・由夜に謝って・・・ないんです」
「喋らない方が・・「まだ・・ごめんって」」
何でそこまでして告げたいことがあるんだ・・・?
「わ・・・た・・ぃ・・きの・・ほ・・ちょ・・投げて・・・意地張っちゃってて・・・ハァ・・・謝らな・・・きっ・・・」
「由里・・・由里ちゃん!!!!」
救急車が来る前に意識が飛んだ。
ごめんね。由里ちゃん。
俺は、由里ちゃんに人工呼吸をした。
君は、まだやらなきゃいけないことがあるんだ。

