本当は東京湾でも何でもよかった。


でもなるべく遠くに行きたかった。


そして、全部流して


あいつのこと


優しく見守ってやるんだ。



「ったく・・・俺も鹿島灘なんて・・・夜中だろ、着くの(笑)」



咄嗟に出てきた『鹿島灘』。


そういえば、俺が初めて海を見たのが


その場所だったんだ。


俺がだだこねて


親が連れて行ってくれたのがそこだった。



「さー行くか」



由里の撮った海には勝てないかもしれないけど


俺の中では一番の海。


大好きな海、由里と・・・一緒に・・・


そして玄関をゆっくりと開ける。



「おっす」



あれ・・・・?


何で・・・


基弥が目の前にいる!!!!