「いつまでも由里ちゃんを諦めないとか言ってンなよ」


「もう・・・平気っすよ・・・」



そう。


俺の心からあいつの存在を


無理矢理消したんだ。


すると、俺の心には


何も・・・・・


何も残らなかった。


あいつのいない生活がこんなものなのだと。


あいつが外国に行ったときは、帰ってくるって分かってて、それは大丈夫だった。


でも、あいつは・・・・


俺の元には返ってこない。


だから、俺は由里のこと


幸せにしてあげたいから


由里とは終わりにしたんだ。


そして後藤先輩と別れ、誰もいない蛻の殻の部屋が俺を迎えた。



「はぁ~・・・あ・・・?」



何か落ちている。


完全に俺のものではない、と思った。


何だ・・・由里が残していったものか?


それは半年前


あいつが俺にくれた、海の写真。



「海・・・・行きてぇな・・・・」



海・・・・行くか。