長瀬君の名前が出て、心臓は素直に飛び跳ねた。



私はまだ長瀬君を忘れられずにいる。



そして湯本にも過去の話として言ってしまったことがあった。




「…まじで?」



「まじまじ」





私と湯本は何の縁か、修学旅行で同じ班だった。




男子は他に長瀬君と仲の良い河本と石原だったので、基本的に一緒に行動しそうな気がした。






素直に嬉しかったし、男子のメンバーに湯本がいたのも安心できる理由の一つだった。






「部長、副部長、おみやげ頼みまーす!」




可愛い後輩たちを残し、私達は京都へ向かった。