3年になり、委員長をやったりして忙しいときも、湯本が変わりにいろいろやってくれていた。




美術の腕もお互い認め合うようになって、


彼といるのが楽しいと思っている自分にまだ気がついていなかった。




いや、気づきたくなかっただけかもしれない。





彼はルックスが良いわけでもなく、浮いてるし変な発言は多いし、長瀬君と正反対だと思うことも多かった。




女子からも嫌われていて、奴が気になっている自分が、奴に失礼だけど恥ずかしくて、千鶴にさえ言えなかった。





「瀬戸田、まだ忙しいんだ。部活の紹介のプリントやっといたよ」


「あ、ありがと。助かるわー」




すると、湯本は意味ありげに含み笑いをした。


「何、気持ち悪い」





「修学旅行、長瀬達も俺たちと同じ方向回るんだってさ」