「な、船長。人員を補充しないんじゃ、仕方ないだろ?」

「しょれは…まあ…。ちかち、タスクの代わりをトヲルに求めるのは、些か無理があるかとは思うでちけど」

船長も急な態度の変化に、困惑している様子だった。

それはそうだろう。以前のコウヅキだったら、トヲルと一緒に船外作業をするのでさえ、かなり嫌がっていたほどである。

「な〜に、コイツならオヤジの代わりに充分なれるさ。俺が保障するぜ」

バシバシとトヲルの肩を強く叩き、笑いながらコウヅキは答えた。

が、船長は益々困惑した表情をし、以前にも見たことのあるその笑顔で、トヲルも嫌な予感を覚える。

コウヅキが叩くのを止め、トヲルの肩に手を置くと耳元で囁いてきた。

「お前の『中』のヤツが、スッゲー使えそうだからな。そいつにはこれからも世話になるつもりだから、よろしく頼むぜ」

「!えっ!?僕の??」