「えー、コホン…。あー、お加減のほうはどうでちか?トヲル」

「はぁ、まぁ…ちょっとまだ眩暈はしますが、なんとか回復はしてると思いますけど」

突然話を振られ、トヲルは少し戸惑い気味に答える。

「ちょれは良かったでち。でも、早く直して下ちゃいね。こっちもミレイユがいない分、猫の手も借りたいほどに人手不足なんでちから。
例え君のようなミミズの手だとちても、借りれるものなら何だって借りたいくらいでちゅちね」

船長はトヲルに向かって、幼くあどけない笑顔を見せた。

(うぅ、ミミズって…『手』はないと思うんですけど)

船長のさりげない『毒』に、心の中でコッソリとそうツッコむのが精一杯である。

「とまあ、挨拶はちょれくらいにちて。コウヅキをここへ呼んだのは、そろそろミレイユのことも含め、3人の今後にちゅいて話し合おうと思ったからでち」