《あの時、肉体を失った我は為す術なく、主達の側におったのじゃ》

「あそこに?…でも、僕には居たのが分からなかったんだけど」

《主達の目には見えぬ。我の意識のみが、浮遊しておったようなものじゃからな》

ペルギウスは相変わらず、淡々と話していた。

《そこで我は、主の両親の残留思念を見つけたのじゃ》

「残留思念?」

《そこには其方に生きていて欲しいという、強い願いが込められておった。その思念は儚くも風前の灯火じゃったが、しかし深いものがあった》

「……」

《そこで我は考えたのじゃ。もしかしたら、万が一にも可能性があるのではないのか、と》

「…可能性って、なんの?」

どうもトヲルには、ペルギウスの話が全く見えこなかった。