そこには細長いシリンダーのようなものが、床に立て掛けるように置いてあった。
シリンダーの中にはライトグリーン系の液体が、上部のほうまでなみなみと入っており、その大きさはヒト一人が直立して、やっと入れる程の狭いものだ。
実際その中には本当に、「人間」が入っていたのである。
トヲル達と同じくらいの若者が両腕を胸の辺りでクロスさせ、全裸でその中に立っていた。
目は固く閉じられており、顔は真っ直ぐ前を向いた状態で無表情のまま、液体の中で微かにゆらゆらと揺れている。
「悪趣味な標本だな」
顔を顰めたコウヅキが、呻くように低い声で呟いた。
「この人は死んで…るんだよね」
呆然と凝視しながらも、トヲルは声を絞り出した。
「恐らくはそうだろうな。動くような気配もねぇしな」
トヲルは恐る恐る辺りも見渡してみた。
この部屋の通路も一本道で、出口の扉がほんの数メートル先に見える。その通路を取り囲むように、両側にこれと同じものが十数体程並んで立っていた。
シリンダーの中にはライトグリーン系の液体が、上部のほうまでなみなみと入っており、その大きさはヒト一人が直立して、やっと入れる程の狭いものだ。
実際その中には本当に、「人間」が入っていたのである。
トヲル達と同じくらいの若者が両腕を胸の辺りでクロスさせ、全裸でその中に立っていた。
目は固く閉じられており、顔は真っ直ぐ前を向いた状態で無表情のまま、液体の中で微かにゆらゆらと揺れている。
「悪趣味な標本だな」
顔を顰めたコウヅキが、呻くように低い声で呟いた。
「この人は死んで…るんだよね」
呆然と凝視しながらも、トヲルは声を絞り出した。
「恐らくはそうだろうな。動くような気配もねぇしな」
トヲルは恐る恐る辺りも見渡してみた。
この部屋の通路も一本道で、出口の扉がほんの数メートル先に見える。その通路を取り囲むように、両側にこれと同じものが十数体程並んで立っていた。