トヲル達はドーム脇に設置されている、非常扉の中へと入っていった。

そこはドーム外から地中に潜るように設置されており、地下へと続いている。

通路両脇には所々明かりも灯っており、それらが赤白く淡い光を放っていた。

明かりが点いているということは、このドーム内のシステムがまだ生きているという証拠である。

『おい、まだかよ』

『う〜ん、ちょっと待ってよ。今やってるんだから』

探査用ロボは触手にも見える体内コードを2〜3本、扉の脇にあるセキュリティ端末にリンクさせている。

『やっぱり地上の出入り口と同様に、ロックが掛かっているわね』

コードを端末に接続したままで、ヴェイトは言った。

『さっきは簡単に開いたけど、ここはかなり厳重ね。これじゃ中に入れないわ。他に出入り口もないし、どうしようかしら』

『どうしようもこうしようもねぇって!
それにどう考えても、オヤジ達はもういないと思うぜ。絶対、ここの連中と一緒に、既に脱出してるだろ』

先程の船の中にはいなかったのである。そう考えるのも当然のことだった。