「この惑星も、どうやらこの空間に飲み込まれたものみたいね」

表面にはクレーターがあるだけの、一見何もない惑星のようにも見えるのだが。

「ん?なんだあれは?」

最初にコウヅキが気付き、頭上の画面へ更に近付いて見上げる。

そこには1点だけクレーターではない、突起している部分があった。周りと比べると、そこだけ白く浮かんで見える。

画面はそれを中心に、クローズアップされていった。

「建物、なのか?」

ビルホークが呟いた。

それは確かに建物のように見えた。それも普段よく目にする形のものである。

「そう、建物よ。それも人間の造ったものだわ」

よく見るとそれはドームの中に建てられていた。ドームの中にはその建物しか入っていないようだ。

それは特に珍しいことではなかった。人間が他の惑星を調査研究する時などには、そういったドームが各地でよく造られたりするからだ。

つまりあの建物もそういう目的で造られたものだろうと、容易に推測できるのである。