「それでは早速、これを見てほしいの」

会話が終わったらしいヴェイトはまたこちらを向くと、目の前のマシンを操作した。

「これは現在、無人探査ロボから送られてきている映像よ」

そう言うと船長の背後上空に、大型モニター画面を出現させた。

画面中央付近に丸い物体が浮かび上がってくる。

その画面は画像が所々乱れている上に色もモノクロで、辛うじてそれが惑星のようなものだということが分かる程度だった。

「この星は、あの窓の向こうにあるものを映したものよ」

ヴェイトが顔を上げて指を差した方向を、全員が一斉に見る。すると窓の向こうの白い空間の中に、その惑星らしき物体があるのが見えた。

それは船から少し離れた場所に位置していたが、黄土色のマーブル模様をしているということまで、肉眼で捉えることができる。

「船長と話し合って、この船の周囲の空間を調べてみようということになったの。
ただウチが所有している探査ロボの『探々(たんたん)くん』は、性能があまり良くない上に磁場の影響もあるから、遠方までは飛ばせないんだけどね」

ヴェイトはマシンに再び顔を戻し、話を続けながら画面を徐々にアップしていった。