「決まってんだろ。解剖されるんだよ」

船長が答える前に、コウヅキがまだ乾いていない髪を弄びながら言った。

「!解剖っ!?」

驚きの声を上げたトヲルに対して、船長は一つ咳払いをした後で、改めて答える。

「この生物に関しては今後、会社の研究機関等で、様々な調査をしゅることになるでちょうね。生命体のいないはずの惑星に、生きて存在していたわけでちから。もっとも、解剖しゃれるかどうかは分からないでちけどね」

「それにもしそれが会社の利益になりそうなものなら、利用しない手はないしな。間違っても、ペットになんかしねぇぞ」

コウヅキは、トヲルを嘲笑するような笑みを浮かべた。

「とにかく、早くこちらへ」

「は、はぁ」

急かされたトヲルは時間を稼ぐように、ゆっくりとペルギウスを前へ差し出した。

(ゴメン、ペル…。やっぱり間に合わないみたいだ)

心の中で詫びながら。