ミーティングとはいえ、鉱物回収の手順は、事前に打ち合わせ済みだった。

あとは下に降りる準備をするだけだ。

出入口ハッチ付近には、もう既に小型船が用意されていて、ビルホークが最後の調整に入っていた。

まだ少しフラフラする身体を抱えながら、トヲルは宇宙服の装着を始めている。

「トヲル、大丈夫?まだ顔色が青いよ」

手伝っていたミレイユが、心配そうに声を掛けた。

宇宙服の着脱は非常に簡単で、一人でも行えるのだが、ミレイユはまだ具合の悪そうなトヲルを心配して、手伝いに来てくれたのである。

「う…、うん。平気、だから」

力ない笑みを向ける。

「ったく、情けねえなぁ。船酔いなんてよ」

同じく宇宙服を着ながら、いつものようにコウヅキが突っかかってきた。

(ホント、情けない…)

自分でもかなり格好悪いということは自覚していた。

「もう準備は、整ったでちか?」

更衣室のドアを開けて、エミリーに抱きかかえられた船長が入ってくる。