その突き刺すような視線にヴェイトは、一瞬たじろいだ。

「な、なによ?私、何か変なこと言ったかしら??」

「ふ…っ、いや。そうか、信じて…、そうだったな」

「???」

突然口元を緩めて独り言のように呟くコウヅキを、複雑な表情でヴェイトは見詰める。

「あ!そうそう」

ヴェイトはここで、ぽむっと音を鳴らし、手を打った。

「私、コウヅキを待ってたのよね。あんただけよ、身体検査受けてないのって。他のみんなはもう、終わっちゃったんだからね」

「ああ、あれか。別にやらなくたって、いいんじゃねぇのか?俺は病気なんて、無縁の人間だぜ」

「ダメダメ!他のみんなはともかく、あんたとトヲルは、船外活動をしなくちゃならないのよ。船医としての義務は、ちゃんと果たさせてもらうわよ」

腰に手を当てて、ヴェイトはコウヅキを軽く睨み付けた。