数日後、部隊からの脱走は成功した。

脱走に失敗した者は、見つかれば厳重に処罰されるが、成功した者を深追いはしない。

一傭兵が脱走したからといって、軍全体が動くことはないのである。

結局コウヅキも成り行きで、一緒について行くことになってしまった。

成り行きとはいえ、今でも何故そのような行動をしてしまったのかは、自分でもよく分からない。

ただ、興味があった。

もしかすると、これから先のその男の行く末を、見てみたかっただけかもしれない。