それも無理はない。宇宙へ出るにも、普通はそれなりの準備期間を設けるものだ。

いくら急いでいるからといっても、明後日とはかなり急な話だった。

『こちらにも、いろいろと事情ができてしまってね。早急にアレを、手に入れなければならなくなってしまったものだから』

「で、でちけど、その…。いくらなんでも、明後日とは無理があるような…」

『そうそう、一つ言い忘れていたことがありましたね』

社長は急に、何かを思い出したかのように言った。

『この仕事への報酬のことです』

「あ!そういえばそうでちた。しょの金額を聞くのを、しゅっかり忘れてたでち」

「て、おいっ!それって、この船には大事なことじゃねぇかっ」

社長から船へ依頼された仕事には、当然給金が支払われる。そして乗組員全員で分配し、それが借金返済に充てられるシステムになっていた。

「で、いくらなんだ?」

コウヅキが船長の代わりに、社長に問いかけた。

『こちらでもかなり無理なことを、お願いしているのでね。勿論、その分の手当も付きますよ。
具体的な金額はここでは言えないけれど、通常の2倍は確実に出してあげましょう』

「やるでちっ!」

…船長は、速攻で答えた。