『そしてトヲル・藤崎君、初めまして。
私がゴードン商会兼ゴードンローン社長の、ラファエル・S・ゴードンです』

「は、は、初めまして」

今まで唖然として見ていたトヲルは、急に社長から個人的に挨拶をされ、慌てて返した。

『このような格好で済まないね、トヲル。ヒト前に顔を晒すには、やはり抵抗があるものでね』

それならばこのように、本人自らが直接出て来なくとも良いはずであるが。

(それに、最初に出てきたあのウサギと歌?って、何だったの?)

アレをこの社長が、故意に誰かに作らせたのだろうか。全く理解ができなかった。