「じゃあ・・」

良平はさみしそうに私に背を向けた。

「待って!」

私が言うと、良平が振り向いた。

「なら・・最初っから、そう言ってくれればよかったのに!」

「だって、何かカッコ悪いじゃん」

「寝坊の方がよっぽどカッコ悪いよ!」

「・・そうだな」

私達は、いつのまにか笑い合っていた。

私は、この時思った。

やっぱ私は、良平の事が好きって。

「じゃあ、デートの続きしようか!」

「調子乗りすぎ!」

そう言いながら、良平の隣に並んだ。

手に握ったココアは、ほんのり温かかった。