蜜花 -First.ver1-


「そういうお前は、透の応援しなくていいのか?」

閑玖の言葉が刺さる。

「…痛いよ。」

「は?」

全く噛み合っていないあたしの発言に、戸惑う閑玖。

「心が痛いんだよ!!」

そう叫んであたしは思い切り手を振り上げる。

瞬間。

―パシッ…

振り上げた手をしっかりと掴んでいる、閑玖が見えた。

「…痛いからって、八つ当たりしてもいいのかよ。」

「…。」

「そんなことしたって、心は癒えないだろ。」

「…。」

「おい、あや…」

「どうしたらいいの?」

閑玖の言葉を遮り、あたしは閑玖を見つめた。
けれども涙で視界が悪くて、ハッキリと表情がわからない。

「あたしは…あたしは裏切り者だよ?…でも認めようとしない。…わかってるのに…。」

そう訴えるあたしに、閑玖は頭をそっと撫でた。