気付けばそこは桜の木があった。 ピンクの花々は無く、青々としている葉が茂っていた。 大きいその木はあたしを日差しから守ってくれた。 「何してんだ?試合中だぞー!」 そう声を掛けられ、慌てて振り向くと閑玖が立っていた。 「なーんてな?どうしたんだよ。」 「あんたは…何してんの?」 閑玖はバスケ部があるので、屋内にいるはずだ。 「俺?…監督が話してるときに寝ちまってさあ~…罰ランニング!」 そしてあたしの隣にゴロンと寝転んだ。 「サボってるし。」 あたしが指摘すると、ニヒヒっと笑った。