――――… 場所は変わって、グラウンド。 「間に合った…。」 急いで詩織と壱夜くんの姿を探す。 あれからあたしは、驚きのあまりに雄貴を突き飛ばして、屋上を出てきた。 心臓はバクバクいってる。 「おーい、彩帆!!」 「しお、り!!」 思わず声が裏返る。 そんなあたしに、詩織はケラケラ笑っている。 ―ピピーっ!! 審判の笛が鳴った。 試合開始だ。