…プロローグ。 ―入学式… 一人の少女が桜の下にいた。 少女を囲むように、散った桜と舞う桜が静止している。 それは一枚の絵のようで。 そこだけが別世界のようで。 誰もが気付かないほど、 儚く消えてしまいそうだった。 ―彩帆ーっ! 少女の名前なのか、呼ばれた声に反応し 少女は静かに振り返った。