あたしより背の高いトシの胸にスッポリと顔がうまってトシの顔が見えない

今、どんな顔してるの?

あたしはトシに追いつける?

「俺がどんだけ我慢してると思ってんだよ ったくよぉお前が好きだから心配して言ってんだろーが…」

「と し…」

「お前の顔見てたらよぉ、俺の我慢してたもんが我慢できなくなっちまうだろーが… こんなにお前を俺のものにしてぇのによぉ」

ぎゅうぅぅ

胸がまた苦しい

トシの言葉に息が詰まりそうになる

トシの甘い、というより熱い言葉に顔が火照っていくのがわかる

「俺みてぇな どぉしようもねー男でいいのかよ…?」

顔を見て伝えたい

そう思って少しトシから少し離れて顔を見上げた

今までに見たことのない顔だった

少し泣きそうで… でもあたしを愛おしそうに見つめてくれる

「うん… トシだからいーんだよ!」

「マヤ」

ギュゥッ

あたしの名前を呼んで、力いっぱい抱きしめてくれた

好きな人に名前を呼ばれるのってこんなに嬉しいんだ

公衆の面前だったけど周りも同じような感じだった

きっといつものトシだったらこんなことしてくれなそうなのに

その後あたしとトシは花火が終わるまでずっと抱き合ってた

ヒュ~~~……

バンッ………