にわか雨の過ぎた午後だった。


「どうして私なんて誘ったの?」


「いつも、失敗ばかりしてなんの取り柄もないのに」

女は会社の社員食堂では、失敗が多く、いつも上の職員から罵声を浴びていた。


しかし女はめげる事なく、健康的な笑顔を振りまいた。


それは、現在の不景気の煽りをもろに受け、残業続きの職員たちを元気づけていたのだった。



女の問いかけに、男は肩を、張ったまま何の反応も示さないまま道を行った。