『ママ〜電話だよ〜!』


夜になって家の電話が鳴った。


子供に出てもらったが、幸恵が私に電話してきたらしい。


高熱で身体が震えながら、布団の中で受話器を握り締める。


「もしもし、幸恵?今日は休んじゃってごめんね。」


『……ひっ…博美…うっ…具合い悪いのに……ごめんね…』


いつもと様子が違う?

消え入るような声。


「幸恵、どうした?」


と聞いた瞬間――…


突然、幸恵が泣きだした。