『な、なんだよ!それ禁句じゃん?』


こんなに赤面したさが兄を今まで見たことがなかったから、私は驚いた。


「禁句も何もないじゃない。

可愛い後輩に意地悪するからでしょ?

なんで意地悪するのよ」


私は頬から耳まで赤く染めたさが兄へ悪戯に笑う。


『赤いジャージ』と言われるのが、そんなに恥ずかしいの?



『よし!こうなったら飲み比べだ!』


どうやら私達はお互いに負けず嫌いのようだ。


「休みの時ならいくらでも相手するわよ?」


『言ったなぁ!こいつぅ〜』


彼の弱点を知った私は、何かにつけ『赤ジャージ』と言いつけた。


まさか本当に飲みに行くなんて考えは、頭になかった。


約束が果たされるのを待っていたことも知らずに…