「失礼します…」 お客に気付かれないよう小さな声で隅の席に座った。 背を向けていたお客の一人が私の顔を見て… 『こいつねぇ、電話番号教えないんだよ!』 はぁ!? 「えっ?何ですか?」 見覚えがない顔が悪戯に笑う。 『新町に住んでるんだろ?』 私の住んでる所、知ってる!! ニヤつく表情を向けるその人を記憶の中から探し始めた。