『入らないの?』 湯気から現れたさが兄は私を見ている。 どうしよう… 「…うん。…あとで入る」 はあ… 結局意気地が無いから、一緒に入ると言えなくて、彼が出た後に露天風呂へ入った。 体を洗い湯舟に浸かると、見上げた夜空に浮かぶ星を眺めて溜め息が出た。 露天風呂は凄く気持ち良かったけど、彼と一緒ならもっと楽しかったかもしれない。 恥ずかしさを追い払えない自分が、違った意味で恥ずかしくなった。 残念なのか何なのかわからない、この時間がとっても長く感じられた。