待ち遠しかった旅行の出発日。 子供達は前日から実家に預けた。 親には誰と行くのか説明はしていたものの、心配する気持ちがわかるだけに心苦しかった。 さすがに恋をしていることを親には言えなくて、胸がチクチクした。 母親の顔と女の顔。 私はどちらの顔も持っていた。 それは両方とも私であって、 どちらも必要で大切なモノ。 だから譲れなかった。