「東京タワーじゃん!」 『夜景見たいでしょ?』 私の瞳が輝いたのを隣で彼が照れ臭そうに見ていた。 チケットを買って、私達はエレベーターに乗り込んだ。 降りたところで見た世界は、息を飲むくらいとても綺麗な夜景が広がっていた。 冬の澄んだ空気のせいか、瞬く星空、ビルの明かり、連なる車のテールランプ、そのどれもが眩しいくらいだ。 眺めていると吸い込まれそうな別世界にくぎづけになる。 視線を感じて振り返ると、彼が立っていた。