『少しはお役に立てたかな?』


帰り道の運転席で微笑みむ彼。


彼の車で自宅近くまで、送ってもらった。


「そんなぁ!お役に…なんて。
ほんとにありがと!!

また来年ね。良いお年を…」


『おぉ!こちらこそ!良いお年を…ゆりさんも風邪ひくなよ!

あっ、馬鹿は風邪ひかないって言うから関係ないか!』


「ねぇ一言、余計じゃないの?」


『アハハッ!』


「もう!」


彼は私を源氏名で呼ぶ。



笑い声を響かせて、車のドアを閉めた。


貴重な一日が終わりを告げて、それと同時に、さが兄への想いが増していくのを感じずにいられなかった。